遊び人な彼に恋しました。


っ!!


あたしたちの後ろに、呆然と立ちすくんでいる春。


息を飲んだ音はあたしなのか……大和なのか……


2人の距離が近すぎて分からない……


「は…「何してるんだって聞いてんだよっ!!!」


「っ!!!」


怒鳴り声に足がすくむ。


「離せよ!!」


「きゃぁっ!!」


グイッと肩を掴まれ、そのまま後ろに引かれた。


「さくらは俺の彼女だ!勝手に触るんじゃねぇ!!」


「痛いっ……」


掴まれている肩がキリキリと痛む。


「来いっ!さくら!!」


腕を引かれ、歩き出した春。


「痛いよっ……春」


「……」


「痛…「うるさいっ!!」


――ビクッ


春の怒りが痛む腕から伝わってくる。


< 302 / 339 >

この作品をシェア

pagetop