遊び人な彼に恋しました。
さくらの幸せ-春Side-
――バンッ!
勢いよく閉めた玄関。
そんな音にさえイライラして、横の壁を殴った。
「な、なんだ!?」
バタバタとリビングから走ってくる兄貴を無視して、自分の部屋に向かう。
「ちょっ!待てよ!!」
パシッと掴まれた腕。
「離せよ!!」
「春っ!落ち着けって!!」
「うるせっ!!」
兄貴の腕を振り払って、部屋の中に入った。
っ―……
なんで……
なんでこんなことになったんだよ。
なんでだよ……さくら。
電話した時に感じた不安が、まさか現実になるなんて……
……―――――――――
「……もしもし」
部屋からかけた電話。
『さくら?俺。』
「春……」
……ん?
『まだクラス会だよな?』
「あっ……もう終わったよ」
『意外に早く終わったんだな』
「……うん、まぁね」
やっぱり、様子が変だ。
なんか元気がない。
『……さくら、今どこ?』
「え?今?カフェを出たばかりだけど……」