遊び人な彼に恋しました。
『じゃあそこで待ってて。迎えに行く』
今会わないとと思った。
理由なんて分かんなかったけど……
「えっ!?いいよ!迎えなんて!」
『ダメだ。行くから待っとけ。……さくら何かあったんだろ?』
「……えっ」
『声でわかる。だから待っとけよ』
返事を聞く前に電話を切って、家を飛び出した。
何故だかさくらの心配より、不安が俺の胸の中にうずくまっていた。
クラス会をすると聞いていたカフェの場所に走る。
なんで裏通りのカフェにしたんだよ!
少し離れたところにあるカフェに悪態つき、走った。
あっ……いた。
やっとついたカフェ付近の入口に見えた、後ろ姿。
「さく……っ」
名前を呼ぼうとした言葉が、止まった。
そこにいたのは、さくらだけじゃなかった。
しかも、さくらは男に抱きしめられてる。
……っ。
ゴクッと息を飲んだ。
額から不思議と冷や汗が出る……