遊び人な彼に恋しました。


「さくら……嘘だよな……?」


今なら俺、笑えるから……

さくらの彼氏として、さくらを守れるから……


だから……


「……」


「さくらっ!!」


――ビクッ!!


「……っ。ごめん……なさい」



「っ……」


『ごめんなさい』


それがさくらの答え……


さくらの気持ち……


「は……る」


もう、見たくない……


「ま、待って!春!!」


――パシッ


もう、見せたくないんだよ……


こんな俺は……



「や、やだっ……。待って!春っ!!」


「行くなよ!さくらっ!!」


後ろで聞こえる声に、ただこぶしを握った。



さくらが泣いている……。


抱きしめてやらないといけないのに……


『大丈夫だよ』そう言って、頭を撫でてやらないといけないのに……



――今の俺には、きっと出来ない。






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