遊び人な彼に恋しました。
「なに?楢橋と寄り、戻すの?」
「っ……」
こんなことが言いたいんじゃない。
「それとも、俺が惨めに見えた?それで慰めにでも来たの?」
「違っ……」
わかってるよ。
さくらがそんなこと思ってないってことくらい……
「あ、あたしと大和は、確かに中学の時に体の関係があった……」
『大和』
さくらの口から出るあいつの名前にイラッとくる。
「で、でもね、今は違うの!!本当に違うんだよ!!」
掴んでくる腕から、さくらの必死さがわかる……
「じゃあ、何で?何で抱き合ってたんだよ?」
「っ……。言い訳にしかならないってわかってる……。でも、あの時『昔みたいに戻れるよな?』って大和に言われたとき……。あたし……、あたし……」
声が震え出すさくらを、おれはただ見つめていた……
「なぁ、さくら……」
「……」
「さくらが好きなのは誰?」
「っ!!そんなの……春に決まってるじゃん!!」
あぁ―……、イヤだな。
元、友達同士って……
だって……
「さくら、もうやめよう……」
「……えっ」
わかっちゃうんだよ……。
さくらに迷いがあることくらい……