遊び人な彼に恋しました。
「何があったの?あたしじゃ、力になれない?」
瑞希……
「さくらが苦しんでいるのをもう、見て見ぬふりなんてできないよ……」
「っ……」
あたしが苦しんでいると、瑞希も悲しそうな顔をする。
この悲しそうな瞳は、あたしがさせてるんだよね……?
「あのね、瑞希……」
「ん……」
「聞いてもらってもいいかな?」
「っ!もちろん!!」
瑞希が深く頷いたのを見て、あたしはゆっくり話し出した。
楢橋くんとの関係……
カフェを出てからの出来事……
そして……春に嫌われたこと。
「さくら……」
瑞希はただ、黙って聞いてくれていた。
「な、なんで……」
「み、瑞希?」
「なんでそんな大事なこと黙ってたのよ~」
声を震わせて、ギュウと強く抱きしめてきた。
「瑞希……」
優しいくて強い瑞希。
そんな瑞希があたしのために、泣きそうになっている。