遊び人な彼に恋しました。



拾おうと屈もうとした時……


っ!!


「ん……」

あたしより先に屈んでプリントを取ってくれた春。


「あ、ありがとう……」


「別に……」


――ズキッ


全くあたしを見ない……


やっぱりあたしのことなんてもう……


プリントを受け取ろうと、手を伸ばした瞬間……


「っ―…///」


ほんの少し触れた指先。


それだけで頬が熱くなった。


指先だけじゃイヤだ―…


体ごとギュッと抱きしめて欲しい……


そんな欲深い考えが浮かんでくる。


授業が終わっても、その熱さは冷めることがなかった……



―――――――――――……


「で?ぶっちゃけ聞くけど……」


「ん?」


放課後瑞希と一緒に来たファミレスで、オレンジジュースを飲んでいた。


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