遊び人な彼に恋しました。


「あたしだって、春のそばに居たいよ……。でも春はあたしのことなんて……」


もう好きじゃない……


「はぁ―…、春がさくらを好きじゃなかったら、さくらは諦められるの?」


「……」


「違うでしょ!?少なからず、春がさくらを好きじゃなくてもさくらは春が好きなんでしょ!?」


そうだ。


あたしは、ただ好きなんだ。


春があたしを好きじゃなくたって、ただあたしが春を好きなんだ……


「あ、あたし……」


「ほらね。どうするべきか分かったでしょ?」


「ごめん!瑞希!あたし行くね!!」


「早く行きなよ。あんた、注目の的だし」


回りを見渡すと、不思議そうな目であたしを見ている他のお客さんたち。


「っ////」


「ほら、行った行った」


「……うんっ!!」


ファミレスを駆け出し、走った。


行き先は決まっている。



あたしが今いちばんはっきりしないといけないこと……


それは……


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