遊び人な彼に恋しました。



「……そろそろ入ってくれば?」


……え?


――ガラッ


「んだよ、気づいてたのかよ」


な、なんでっ……


「さっきからドアの隙間から殺気が凄かったからね~」


な、なんで……春がいるの……?


「分かってたなら、そろそろさくらを離してくれる?」


あっ!


「はいはい」


呆れたように頷いて、あたしから手を離した大和。


「じゃあな、さくら。」


ぽんぽんと頭を撫でて、大和は生徒会室を出ていった……


大和……ありがとう。


大和とはツラい日々もあったけど、幸せな思い出もいっぱいあるから。


だからあたしは一生忘れないよ……


本当にありがとう。大和……


あたし、ちゃんと春に気持ちを伝えるね。


昔のあたしとはもう、さよならしたから―……


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