遊び人な彼に恋しました。


「んんっ……!」


少し辛そうなさくら声に、体が跳ねる。


「さくらっ……、大丈夫……?」


「んんっ……へぇーき」


涙を少し流しながら、そっと俺に微笑みかけてくれた。


平気なんて、嘘なくせに……


俺がさくらの嘘を見抜けないはずがないだろ……?


でも……


でも……今だけは……


「そっか」


笑って騙されてあげよう。


その分、優しくするからさ……


――――――――――――――――………


「ん……」


すりすりとくすぐったいような、温かいような感覚で目が覚めた。


あれ……、俺……


「っ!!」


隣でぐっすりと眠っているさくらの姿。


そ、そっか……俺たち……



「ふっ……」


隣でぐっすり眠っているさくらの髪を、そっと撫でた。



「んっ……」


おっと、ヤバいヤバい。


起こしてしまうところだった……


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