遊び人な彼に恋しました。


「いいか、俺が手本みせてやるから」


偉そうに……


春はニヤッと笑ってボールを投げた



「っ……」


「なっ♪」



悔しい……悔しいけど……


春の投げたボールは綺麗にシュートされた



「筋力が違うんだよ。さくらとは」


ふふんっと鼻を触りながら、見下すように見られる


「っ!次は絶対にシュート決めてやる!」


負けず嫌いのあたしのクセが出た


「無理無理。」


「無理じゃない!!」


うぅ〜〜絶対決めてやるんだからっ!!



「さくらが決められるはずないだろ?」



――プッチーン


もぉ、頭きたっ!


「このシュート決めたら何でも言うこと聞いてよ!!」


「は?何でそうなんだよ」



「あれ〜?もしかしてあたしが決めたらどうしよう、とか思っちゃってんの〜?」



「はあ!?さくらなんかに無理に決まってるだろっ!」


“なんか”


今こいつ、さくら“なんか”と言いました?


「ふっ…。絶対決めて命令聞いてもらうから」



「はっ、さくらが決めたら何でもやってやるよ。」


鼻で笑う春にイライラ度はピーク



絶対……


絶対決めてやる。



< 59 / 339 >

この作品をシェア

pagetop