遊び人な彼に恋しました。


「「あっ…あいつらって……」」

「「あぁ―…あのバスケの……。」」



一瞬静まった後に、またざわつき出した教室


でもあたしはそんなことより、窓から見える桜に見いっていた



ヒラヒラと落ちる桜の花びら


それを見て思い出す



あの彼を―……


「桜……綺麗だな―…」



「……え」


隣から聞こえた声に、敏感に体が反応した



「……あ」


――ドキッ



さっきの彼……



同じ……クラスだったんだ……


「あんたさ、桜好きなの?」


あっ、さっきの“桜……綺麗だな―…”はあの桜の木に対して……


って、当たり前か……



「なぁ?」


「あっ、うん。好き……」


「そう。俺も桜、好き」



あたしじゃないのに、胸がまた高鳴った


「あんた名前は?」


「えっ?」



「俺は相良春。」


相良……春……



「さくら……。矢吹さくら……」



あなたが好きだって言った桜と同じ名前


「ふっ。じゃあさっきのは共食いだな。」


「えっ?」



「さっき桜の花びら、食べてただろ?」



あ、あれは食べたくて食べたわけじゃ……



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