遊び人な彼に恋しました。
「なんで行くんだよ……」
「えっ?何でって、メールに来いって書いてあっから。」
“来い”……?
そんな一言で行っちゃうくらい、親しい仲なのかよ……
「どうしたの、春?なんか様子おかしいよ?」
「っ……和ちゃんって、一体何者なんだよっ!!」
「は、春?」
大声を出した俺に、さくらが肩を一瞬震わせた
「春……腕、痛い……」
少し顔を歪めてるのが分かったが、俺は一向に腕を握る強さを弱めることはなかった
いや、そんな余裕が無かった……
「和ちゃんって、さくらの何…?」
さっきの叫ぶような声とは対照的な落ち着いた声
でも自分でもこんな低い声が出たことに驚いた
ましてや、さくらをこんな怖がらせている自分に信じられない気持ちでいっぱいだった
「か、和ちゃんは……幼なじみ……だよ?」
言葉を一つひとつ探すようにそう言ったさくら
幼なじみ……?
幼なじみだったらこんな夜遅くに家に行くのか?
男の部屋に、女が1人で行くのかよ……