遊び人な彼に恋しました。


「あの、春……?何をそんなに怒ってるの?」


「怒ってねぇ―よっ!!」



「お、怒ってるじゃんっ!!」



「怒ってねぇ―って!!」



はぁ―…さすがに近所迷惑だよな……



「もう、いいよ。さっさと和ちゃんのとこでも、どこへでも行け」


「なっ!なんでそんな風に春に言われなきゃいけないのよっ!!」



「あぁ、そうだよな!別に俺が気にすることでもねぇもんなっ!!」



全てにイライラする。


「つ―かさ、和ちゃんとか言ったっけ?」


「何よ……」



言うな、言うな……


バカみたいなこと言うな……


そう思うのに、止まらない……



「あいつ、遊んでそうじゃね?」


って、俺が人のこと言える立場じゃねぇじゃん……



と思ってもすでに遅し……


「最低―っ」



さくらの冷たい声が耳に届いた


「春に和ちゃんを悪く言う資格なんてないよ。」


――ズキッ



「和ちゃんはね…「もういい。馬鹿らし。」



「は?」


「そんなに和ちゃんに会いたいなら、さっさと行けば?」


「っ!!行くわよっ!春のバカっ!!」



走って俺から離れていくさくら


真っ暗の夜道はすぐにさくらの後ろ姿を隠していった


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