遊び人な彼に恋しました。


「なんか運命みたいだな―…。」


「……え?」



「“春”と“さくら”……なんてさ。」


そう言って笑う彼に、あたしは一瞬にして恋に堕ちた……



優しく、そして一生の恋を教えてくれたキミに―……



………―――――――――



「―…らっ、さくらっ!!」


「うわっ!!」


「お前ボーっとしちゃって、どうしたんだよ?」


「あっ……」



ついつい思い出に浸りすぎてた……



「うぅん。何でもない。」


「変なヤツ。体調悪いんだったらすぐに言えよ」



「う…うん……」



こんな風に優しい春が好き……


ちょっと心配症な春が大好き……



「なぁ、なぁ、今日の放課後本屋付き合って」


「え?なんで?」



「欲しい本があってさ―…「そうじゃなくて……」



あたしが言いたいことはそんなことじゃない。


「……彼女いいの?」


自分で言ってて悲しくなる……



「あぁ―…別れた」


「……そう。」



この言葉はまたあたしへの苦しみを与える第一歩


また春は数日したから、簡単にあたしに言っちゃうんだよね……



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