遊び人な彼に恋しました。


「……は?」


当たり前のセリフが返ってきた


そりゃ―そうだよね……


女友達がこんなこと言ってきたんだもん……


「えっと……さくら?」


胸のドキドキで息が苦しい


「何かの冗談?」


――ズキッ


やっぱり冗談にしか思ってもらえない?


「本気なわけ……ないよな?」


っ……


ここで本気だと言う勇気があれば、あたしは春の特別になっていたのかな?


でも今のあたしには、そんなこと言えなくて……



「ほ、本気じゃないよ―。当たり前じゃん。ただ、春とだったら遊びでも付き合ってみたいな―なんて思ったりして。」


早口に自分が傷つかない言葉を並べた


遊びなんてイヤ……


春の女遊びの1人になるなんて、絶対イヤ……


でも……


「ごめん……さくら。その命令は聞けない……」


ずっと友達も……イヤ。



「さくらは大事な友達だし、大事なヤツだし……」


大事な友達……?


大事なヤツ……?



ねぇ、それだけ揃っていて彼女にはなれないの?



< 82 / 339 >

この作品をシェア

pagetop