遊び人な彼に恋しました。


「だから友達のお前とそんな風に付き合ったりとかは……」


あぁ―…違う。


あたしが、女として……春の“彼女”として見てもらえないってことだ……


「だからさ……さくら」


そっか……


「他のことなら何でも聞くし……」


そっか……


「パフェでも食べに……え」



あたしは、春の彼女にはなれないんだ……


「さ…さくら……」


ゆっくりとあたしの頬に近づいてくる春の手


その手から逃げるようにして、一歩後ろに下がった



「なんで―……」


呟くような春の声が聞こえたが、表情がわからない……


イヤ、わからないわけじゃない……



春の表情が見れないんだ……


だって……


「何で……泣きそうな顔するんだよ……」


春を見たら、涙が溢れそうなんだもん……



「さ…「春……あたし帰るね……」


「は……?」



「ごめん……ちょっと1人になりたい……」


こんなこと言ったら、ショック受けてるってバレバレだけど、今はそんな気さえ回らない……



< 83 / 339 >

この作品をシェア

pagetop