遊び人な彼に恋しました。
そんなあたしを理解したのか、体育館のドアに向かって歩くあたしを止めようとしない春
「っ……」
必死に声を押し殺して涙を流した
本当は声を出して泣き出したい。
でも、もう少し……
もう少しだけ待って……
せめて体育館を出るまでは……
春から離れるまでは……
「さくらっ!!明日来いよっ!!」
「っ……」
明日は春が出るバスケの試合
それに来いって言うの?
「絶対来いよっ!!」
行けない……
行けないよ……
あたしは何も言わずに、体育館を出た