遊び人な彼に恋しました。


「っ―……」



体育館を出たと同時に嗚咽のような声と涙が出た


もういいよね?


十分我慢したよね?


「うぅ〜〜」


子供みたいに、泣いた


夜空には綺麗な星が輝いているのに、あたしは凄く寂しく悲しい気持ちでいっぱいだった。


苦しい……


苦しいよ……



校庭をポツンと1人で歩く。


「おいっ」


……え


「こんな暗い中1人で帰る気かよ。」


「……楢橋くん」



肩を叩いたのはさっきまで生徒会室に一緒に居た人物


「なん…で………」


なんで楢橋くんが……?


「今までファイルに目を通してたんだよ。それより……なんて顔してんだよ」


「あっ……」



ハッとして目を伏せた


泣いてるところ見られちゃったよね……?


「帰るか……」


「えっ…」


「帰らねぇの?」


「あっ…帰る……」



「そっ」


泣いてた理由、聞いてくるかと思ってたのに……


何もそれに対して触れない楢橋くん



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