遊び人な彼に恋しました。
「あんまり気ぃ、落とすなよ……」
拓海が肩を叩き、帰っていった
試合の後はみんな無言で試合会場を出た
俺も1人でスポーツバックを肩にかけ、その場を後にした
「先輩っ!!」
「……」
呼ばれた方を振り向くと、息を荒らした平田が立っていた
走ってきたのか?
「どうした?」
「せ、先輩、大丈夫ですか…?」
「は……?」
俺?
「先輩、昨日から様子がおかしかったから……」
平田にさえバレるくらい、俺は変だったのか……
――ポンポン
「サンキューな。俺は大丈夫だから……」
頭を軽く撫で、微笑んだ
「でもっ…「本当に気にするな。平田がそこまで心配することはねぇよ。」
あっ、ちょっと今の言い方は酷かったか?
「ごめんな。俺もう帰るから」
もう一度頭を撫でて、歩き出そうとした……瞬間
――キュッ
握られたスポーツバック
「平…「あたしじゃ…ダメですか……?」
「……は?」