恋が降った日
「遅れてすいません!!!」


皆がいっせいにドアのほうを振り向く。



息を切らした心樹が席にすわろうとやってきた。


教室は一気にざわめき、部長の一言で、また静寂が戻った。



再び静かになった音楽室で、心樹が自己紹介を始める。


「2年2組平田心樹。よろしくおねがいします。」



心樹の声は低いのに良く通っていて、あたしは声にさえもドキドキする。





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