妄想彼氏
幼なじみ以上、幼なじみ以下。
「利緒〜」

「いでっ」

学校への登校中。

道路のど真ん中を歩いてる私に気付いた水季は後ろから飛び付いてきた。

「水季は私を殺す気か」

「いや、殺すも何も、そっちのほうが自殺しますって感じだったよ?ど真ん中歩いてるし」

水季の言ってる事は間違ってはいないが、私はそれを認めない。

なぜならば、私は今とてもいらついているから。

いつも優しい私の異変に気付いた水季は私の前にきて、ぐんっと顔を近付けた。

「どうした?」

「……………キモい」

「…………………」

あまりのショックだった水季はその場で立ち止まり、涙ぐんでいた。

「あれ…水季?」

「よう、園田」

「あれ利緒ちゃんだよね?なんか背後から近寄るなオーラ出してるよ?」

―園田 妃
彼女も水季と同じく利緒の幼なじみ。

「利緒にキモいって…………」

「ドンマイしか言いようがないわ」

「ほんとドンマイ。じゃ、利緒ちゃん待って〜」

妃にも見捨てられた水季くん。


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