妄想彼氏
教室を出て、廊下を小走りで行った。


<彼氏>とはどういうのだろう。

「…」

一人ついていけないのが無性に嫌だった。

相手をするのは大変。

一人になりたい。

でも、ちょっとは恋ばなをしてみたい。

どんなものかが知りたい。

「…ぁ…雨だ」

ポツポツと降ってきた雨。

彼女達は大丈夫だろうか。

弥生は傘持ってきてるだろうから大丈夫か。


家に着き、少し濡れた髪をタオルでワサワサとふいた。

「今日はやめとこ」

雨が本降りになり服が汚れるのが嫌な私はその日、塾には行かなかった。

この時、ちゃんと来ていればよかったのに。

「セブイレ行こ」




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