妄想彼氏
「…気付かないんだ?」
「え?」
気付かない?なんの事だろう?
「気付かないんだ…これだったら危ないね」
クスッと藤坂君は意地悪な笑みを零した。
「間接キス」
「・・・えぇっ!?」
(どどどどどうしよう!
弥生になんて言えばいいの!?
あぁぁぁぁぁ!!私がちゃんとしていれば…。)
「…」
「?ごめん、怒った?」
私は顔がだんだん熱くなって真っ赤と思い背を向けた。
「…て下さい」
「え?」
「…弥生…弥生の気持ちも考えて下さい!!」
私は藤坂君にそう言い残し、公園を出てダッシュで走って行った。
本当に最低だと思う。
こんなの弥生が聞いたらなんて言えばいいのよ。
「ごめん…弥生」
私はしゃがみ込み泣き続けた。