一目惚れ【短編】
ハプニング
「あっ!でも、イヤだったら良いよ?」
「えっ、あの、イヤじゃない!!……です」
私のバカっ!!
まるで、がっついてるみたいじゃん。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、頭をポンポンと優しく叩き、
「じゃあ、行こうか」
そう言って、歩き出した。
側に並んだ事が無いから知らなかったけど、遊君はかなり背が高い。
改札を出て、遊君が連れて行ってくれたのは、オシャレなカフェ。
ナチュラル系の家具で揃えられた店内は、お客さんが数組居るだけで、ガランとしていた。
店員さんに案内されるまま、窓際の席に座る。
サラッと、私を奥の席にエスコートして座らせてくれる遊君。
やっぱり、沢山恋愛してるんだろうなぁ〜。
そんな些細な事まで気になってしまう。
ちっちゃいなぁ〜私。
店員さんに、遊君はカフェオレ、私はアップルジュースを頼むと、私の方に向き直した遊君。
「それにしても、これが俺のだってよく分かったね」
「えっ!?ああ、ねー」
私は、苦笑いしながらごまかす。
だって、ずっと観察してました!!とは、さすがに言えない。