一目惚れ【短編】
いつもの日常のいつもじゃない出来事
次の日。
私は、1本早い電車の、いつもと違う車両に乗っていた。
これで、もう会う事は無い……。
最後に一回、会いたかったな。
ずっと、見てるだけで良かったのに……。
そう思うと、涙が出てきそうになる。
いつものように参考書を開き、
いつものように勉強をする。
つい癖で、チラッと目線を上げてしまう。
そこには、知らないサラリーマンが座ってて、一瞬目があうと、あわてて参考書に視線を戻した。
好きになるのは簡単なのに、嫌いになるのは難しい。
だって、嫌いになる所がないから……。
忘れるまで時間をおこう。
きっと、忘れていく。
きっと……。