一目惚れ【短編】
「都姫ちゃんが良いの。今のままの都姫ちゃんが……好き」
そう言い終わると同時に、重なる唇。
うそっ……。
ビックリして息が止まる。
ものの数秒が、ものすごく長く感じた。
唇が離れたと思ったら、引き寄せられ、遊君の胸の中に……。
瞬きする暇もない位、私の中では早い展開。
そして、恥ずかし過ぎてどうしたら良いの?
「…キス……した?」
って、すごくマヌケな質問。
分かってる事なのに、頭が整理できなくて……。
ゴメン、訳分からないかも。
「した。イヤだった?」
イヤなんて言えるハズもない事、わかってるクセに……。
遊君、ズルい。
「イヤじゃないけど……初めて…だったから」
「じゃあ、ちゃんと責任とる」
見上げた私の額に、再びキス。
あ〜〜‼‼
もう、どうなってもイイや。
「……お願いします」
そう言って、見上げると遊君はニヤっと笑いながら、
「任せろ」
と、言い切った。