一目惚れ【短編】
はぁーとため息をつきながら、私の教室【1-3】に入った。
「おはよー、都姫(ミヤビ)」
「おはよう、桂香ちゃん」
教室に入ってスグに声をかけてきたのが、【西園寺 桂香】(さいおんじ けいか)。
名前の通り、お寺の娘。
いつも元気で、クラスの中心的な人。
落ち込んでいる姿を、今まで見た事がない。
私とは間反対な彼女。
桂香ちゃんとは、【西園寺 桂香】【坂本 都姫】と出席番号順に並べられた席で前後になったきっかけで、話す様になった。
お寺の娘と言う事も有り、桂香ちゃんのマナーの良さは半端ない。
だから学級委員をしてる様な、真面目以外取り柄がない私と気が合うのかもしれない。
そう、私は優等生。
自分で言うのもなんだけど、校則をやぶらず、授業をしっかり聞いて、挙げ句の果てには、学級委員とかやっちゃう様な……。
みんなみたいに、オシャレしたく無いわけじゃない。
ただ、怒られるのが嫌だっただけ。
昔からそう。
だから、いつも良い子でいた方が、面倒くさくないでしょ。
多分、周りから見たら暗い子だと思う。
でも、今更キャラ変えられないし……。