一目惚れ【短編】
結局、1時間位勉強して、帰り支度をした。
なんだかんだ、つい頭の中で遊君の事を考えちゃうから、全然はかどらないんだもん。
急いでげた箱で靴を履き替え、駅に急いだ。
外は暗くなりはじめていて、少し肌寒く感じる。
でも、そんな時間帯が嫌いじゃない。
なんて言うか、夜に変わっていく瞬間、昼が終わる淋しさで少し胸がキュンとしてしまう。
まるで、恋愛みたい。
ホームに電車が滑りこんでくる。
始発駅だから、絶対に座れるんだ。
私は、いつもの車両のいつもの席に座った。
電車は動きだし、次の駅へと出発する。
私は、頭を後ろの壁に預けて、ボーっと外を眺めていた。
2つ目の駅に差し掛かった時、私の心臓は一気に心拍数を上げていく。