Hight
それからも、毎日同じ繰り返し。



『森 春樹様

 8月24日に、あなたを迎えにいきます。

 1993年08月03日 崎本愁吾』



ついに、8月になってしまった。

24日まで、あと少し。

ドキドキしながら、少しずつ不安になっていった。



一日、一日と過ぎて行く・・

08月24日、何が起こるのか僕には全く予想がつかなかった。

だから、宿題を8月20日までに終わらせた。

物語の中みたいだけど「もしかしたらタイムスリップ!?」なんて思ったりもした。

現実では、ありえないのに・・・。

こんな想像するなんて、崎本愁吾は僕を狂わせたいのか?

まあ、楽しいけどね。




ついに08月23日の夜が来た。

僕は緊張しながらも、いつの間にか寝ていた。


カーテンの隙間からの、太陽の光で僕は目を覚ました。

いつもと変わらぬ僕の部屋。

何だ、冗談だったのか。


部屋のドアを開けると、ドウダンという花と、手紙が置かれていた。


『森 春樹様

 今日、あなたを迎えに行きます。

 必ず。

 1993年08月24日 崎本愁吾』


「必ず、か・・・。あぁ、何だよ、もう・・・」


僕は、その場に座りこんで、ドウダンという一輪の花を眺めた。


「花言葉は、『明るい未来』。やっぱり、これだったか」

僕は、この花だと思って、ドウダンという花を事前に調べていたのだ。

今日、08月24日の花は、ドウダンだから。

白い花が、僕の視界を奪う。
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