Hight


「てかさー、春樹、年上に対しての態度がなってないぞ」


「それは、お前もだろ?初対面の相手に失礼な態度」


「最初は、敬語だったのにさー」


「崎本もだろ。すっげー鳥肌立つほどキモい言い方しやがって・・・」


崎本は、なんだとー!?と怒った言い方をしたが、崎本の顔は、くしゃくしゃになった笑顔だった。


「なあ、兄ちゃん」


「何だ、弟」


僕は、ぶっ、と笑った。


「弟って呼ぶの変じゃない?」


「やっぱり?俺も変だなーって思った」


「春樹でいいよ、崎本」


「お前は兄ちゃんって呼べよな!」


「嫌だね。お前の名前は崎本だ」


崎本は、ははっと笑い、すっと立ち上がった。


「おい、来いよ。部屋案内でもしてやるから」


そう言うと崎本は、また僕を置いてスタスタと歩き出した。

僕は、黙って立ち上がり、また崎本の後をついて行った。


「この部屋、余ってるから。ここ、春樹が使えよ」


そう言って、崎本はリビングの中にあった扉をカチャ、と開けた。

そこには、4畳ほどの洋室があった。


「ちょっと狭いが、我慢してくれよな」


確かに、僕から見れば、少し狭い部屋だった。

本来の僕の部屋は、6畳あったのだ。


「まあ、これだけあれば十分だよ」


それを聞くと、崎本は安心したように顔を緩ませた。
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