いつか、きっと。


ここは「あざっす、お疲れでした~」
といって通り過ぎるのが
無難だけど。

ナンパ王にアドバイスもらっとくのも
ありかと思い、
めんどくさいの覚悟で
ちょっと聞いてみた。


「あの…先輩。
応援に来てくれた子の差し入れって
何がいいんですかね?

やっぱ飲みもんっすか?」


…聞いてすぐに後悔した。
先輩は目を光らせると
にやにやして俺の肩に腕を置いてきた。


「ほっほっほ。
正臣君もやっときたか、
俺に意見を求める時が。

あいにく今忙しいから
俺の『いかに女はいいもんか』
ってゆー力説は今度にとっといて。

ただアドバイスだけやるよ。
そういうときは飴だ」


…よし、飲み物かってこよう。


そのまま先輩の横を
過ぎようとしてさえぎられた。


「聞け聞け、
女は飴に弱いんだよ。
だからこの岩塩の飴あげてこい」


…なんで岩塩なんだよって
言おうとして言われた。


「熱中症予防の岩塩だ」




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