いつか、きっと。
-Masaomi
「あれ、あの直樹。
絶対井上さんのこと
好きだったよね。
ばればれすぎる~、
しかも自分で否定して
自分で悲しくなってるとか
とことん可哀想」
いや、お前のほうが
結構いつも可哀想だぞ。
愁は直樹をあきれた目で見えて
俺は愁をあきれた目で見た。
…まぁ、確かにだ。
直樹は誰から見ても
井上さんが好きそうだった。
けどその井上さんは特に直樹に
何の感情も抱いてなさそうで、
自然のうちに安堵のため息が出た。
「え?どした?
ため息なんかついちゃって」
愁につつかれて
笑いながら説明しようとした。
「いやぁ、だって井上さんは
直樹のこと…」