いつか、きっと。
_____________


すっかり晴れて
良いサッカー観戦日和
になった。

横では客席から
身を乗り出して愁くんと
話す紗耶がいた。


「愁!負けたらジュース」

本当に笑顔の紗耶は
可愛い、モデルとか
そんな可愛さじゃなくて
愛らしさがある。


「じゃあ勝ったら
俺に紗耶をくれよー」


ぶっ、

別に何も飲んでないから
何も出ないけど
吹き出した。


紗耶はさっきと変わらず
笑顔で笑っている。


「それは無理~、
私面食いだから」


…見事なまでに斬られた
けど愁くんも苦笑いし
ウォーミングアップに
戻っていった。


「どこにしよっか?」


にこにこ聞いてくる紗耶。
天然の威力恐るべし。

何度愁くんがアピール
してもふざけだと思って
見事なスルーを連発。

今日断ったのだって
紗耶にしては冗談だと
思っているから。


…紗耶に悪気はないんだ
頑張れ、愁くん。


心の中でそう応援し、
紗耶と話していると
試合が始まった。



< 6 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop