いつか、きっと。
「す…すごっ」
始まったらそれしか
言えなくて、
目が離せなかった。
サッカーなんて今まで
テレビで見たくらいで、
それでも感激したけど
ここまでじゃなかった。
かっこいい…
純粋にそう思える。
いつの間にかある一人の
選手から目が離せなく
なっていた。
「…紗耶、背番号3番の
人知ってる?」
いつのまにか紗耶に
聞いていると
紗耶は大声で応援しつつ
同じクラスの人じゃん。
と笑って言われた。
「あ、思い出した。
小野正臣くん……」
そういえば、だった。
全然男子と仲良くないから
名前さえ覚えてなかった。
すごい真剣に
ボールを運んでて、
シュートはいれないけど
シュートした人が
ほとんどアシストされたのが
その‥小野くんだった。
試合はあっという間に
終わって、
結局私たちの学校の勝利
勝利が決まったときの
小野くんの笑った顔を見て、
素直にこの人かっこいいと思った。
ただ、はじめはそれだけだった。