さくらの恋人
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大輔は考え事をしながら、帰り道を歩いていた。
ファミレスでの八重の話だ。
「桜川?2ヶ月後のピアノのコンクールに出てみないか?」
大輔はバイト先でピアノを教えているため、まだまだ現役で弾けるが、コンクールとなれば話は別だ。
「まぁ考えといてくれ」とだけ言われ、忙しいのか要件だけ済ませると先生は帰って行った。
別れ際に「どうせ就活もうまくいっていないんだろ?だったら、たまには気晴らしに好きなことに頭を向けてみるのもいいんじゃないか?」と言われ、春恵が密告したと確信した大輔だった。