さくらの恋人

2-5


「サク…あたし志望校受かるかな?」今にも不安に押し潰されそうな声で大輔に聞いてきた。


「もっと真面目に練習すれば必ず受かります」優しさで千歳の不安をを包む声で大輔は言った。


「真面目にか…ってあたしってそんなに不真面目な生徒かい?」いつもの千歳に戻っていた。


「もう、時間ですね?じゃあ次はこの続きから。復習忘れないでくださいね」時間に救われた感じだった。一瞬ムッとした表情をした千歳だったが「じゃあねっ、サク」そう言って教室を後にする千歳に大輔はまた聞こえないような声でこう言う。


「だから、サク先生でしょ…」



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