無情エキセントリック
「すみませんでした!」
職員室に呼び出されて俺は真っ先に先生に謝った。先生はくたびれた顔をして俺の肩を叩くとこう言った。
「まぁ、蓮見さんが居眠りするのはよくあることだけど、気をつけてね。先生すごく恥ずかしかったわ。知ってる?蜷川君小声で笑ってたの」
先生は怒ってるのか、怒ってないのかテンションのつかみづらい人だ。本気なのか本気じゃないのか、分からないからこっちもどうしていいか分からない。
だから決まって俺はばつ悪く、しぶしぶと苦笑いするしかないのだ。
「ハハハ」
そう力なく笑う俺を見て先生は呆れたようにため息をつくとはっきりとした声で俺をいさめるようにしていった。
「先生、心配してるのよ?あなた女の子の癖に俺とかいうし、先生には普通に話してくれるけど他の人には普通に無視だし、まぁそれは転校してきた蜷川君も一緒みたいだけど」
「あいつもなんですか?」
蜷川心地、そいつはさっき俺を見てクスクス笑っていた嫌な奴だ。女子の聞こえてきた情報によると、まぁ見た目通り容姿端麗、成績優秀、しかも帰国子女で英語がぺラぺラ、なんとも気に食わない奴だ!俺は猛勉強してやっとこさ、学年10位なのに、前の学校だと常にトップだったとか。
気に食わん!だけどそんな奴だからこそクラスの人気者になるだろうと思っていたのに。意外だ。
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