+ love song +



そうこうして辿り着いた場所は…


「『…なにここ……;;』」


と言いたくなるようなバカでかい建物が私達の目の前にあった。


「ん?どうした?」


「いや;;
“どうした?”じゃないでしょ;;

何ここ?;誰かさんのお屋敷?;」


すると、父さんはフツーのトーンで

「ここはこれから二人が通う高校だよ?」


と、事も無げに告げた。


「っつかここってあのよくテレビにも出てるあの高校…だよな?」


「そうそう!
まっさか自分の息子の高校がこんなに有名になるなんてなぁ~

父さんからしたら嬉しいかぎりだ!」


と、満面の笑みで微笑む父さん。

本当に嬉しそうだ……笑


『じゃあこれから兄さんのとこ行くの?』


「そうだよ。
三年ぶりの家族との対面ってわけだ。」


と、満面の笑みで答える父さんとは対照的に


「うわぁー!;
イヤだぁー!!;

会いたくねぇー!!;」


と、露骨に嫌がり、藻掻く大翔。



大翔の反応に気付いていない…

…いや、気付いているにも関わらず完全無視する父さんは、
藻掻く大翔を無理矢理引き摺り、
先頭をきって昇降口へと向かう。

そして私は父さん達の後ろを苦笑しながらで付いて行く。



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