+ love song +



そして歩き続けて十数分後。

父さんが無駄にでかい扉の前で足を止めた。
上を眺めると“理事長室”と書かれたステッカー(?)が目に入った。

……やっと着いた;;

大翔と話ながら歩いていたが、
その途中廊下ですれ違った
ここの教師や生徒と思われる人達に凄く注目されていた私達。

……まぁ理由は大翔だろうけど。


大翔と歩いていると
周りを歩いている女子が
“格好良い”とか“イケメン”とかってよく言ってたのが丸聞こえだったから。

あと何故か“綺麗”とか“美しい”とかも
それって男に使う言葉なのかと思った。

それにこの間も何処かの会社に
スカウトされたって言ってたし。

その大翔に向けられているであろう好意視線から逃れたと安堵したのも束の間

父さんは私達に呼び掛けるでもなく、いきなりその扉をノックし
“入るぞぉ~”と告げ、中から返事を貰う前に扉を開いた。


そして私達の目の前の人物は書類を片付けていた。

そして書類から手を離し、
視線を前に向けた人物は


「おぉ~久しぶり。
親父に、大翔。

………爽歌。」ニッ


と、微笑んだこの人は
この学園の理事長兼校長で、
約三年ぶりに再会した私達の義理の兄こと、和哉だった。



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