+ love song +
“あっそうだ…爽歌”と兄さんは私の質問には答えず、
何かを思い出した仕草をして、
デスクの引き出しから何かを取り出しこちらに近付いてきた。
「爽歌。
これから学校ではこれを付けて生活しろ。」
と若干命令口調で手渡してきたものは
『…………眼鏡?』
しかも黒で淵の厚いの
『なんで?
……私視力良い方なんだけど。』
「何でも。
お前は目立つから。」
『?
私、全然目立たないと思うんだけど……
と言うかむしろ目立ってるのは
大翔かと…?』
「アイツは別にどうでも良い。
っつうかお前は自覚無さ過ぎるからいろんな意味で困る。」
『?
自覚って何に対する?』
「良いから。
とにかく付けてろ。
まぁ一応レンズに度は入ってないから異状は無いだろ。
家で付けるか付けないかは好きにしろ。」
と言われ、完全に納得はしていないが
一応指示に従って付けてみた。
『……違和感………。』
「ずっと付けてれば慣れる。」
と言うことで何故か今日から私は眼鏡を掛けることになった。
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