強くて弱い誰かのおはなし
すぐに携帯を持って、自宅のマンションから裸足で逃げた。

(誰でもいいから、助けて・・・!)

携帯の液晶には、幼い頃から預けられていた祖母の家だった。
鼻血はとまらずに、裸足で公園に逃げて、
かくれんぼのように土管のなかで縮こまる。

{・・・もしもし?}

{ばあちゃん!助けて!!}

必死だった。とにかく必死だった。
事の成り行きを説明すると、祖母は泣いていた。

少しして、祖父が自転車で迎えにきてくた。
次の日、あたしは家にも学校にも行かなかった。
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