愛しの姫の攻略方法


「“今は”まだ…幼馴染だ。」


「今はって、どういう意味だ?」


「さーぁ?
ご想像にお任せしますっ。」


…隼人、笑ってるよね?


なんか、ひまわり笑顔じゃない気がするんですけど。


ていうか、オーラが黒いんですけど。

怖い感じのオーラ漂ってるんですけど。

逢沢と隼人の間に火花が見えるんですけど?!


「…崎本くん!
あの、よかったらあたし達が学校案内しよっか?」


「てか、案内したいんだけど!」


「どーかな?」


秋村さんのグループの人が、隼人に猛烈アタック。


流石隼人。

転入早々モテモテですなぁ。


「あ、ありがとう。
でも…」


「行って来いよ。
そこの女どもと。
俺はお前を案内したかったわけじゃねえ。」


逢沢はそう言って、あたしの腕を掴んだ。


「俺が案内したいのは、寧ろこいつだから。」


あたしは、逢沢に手を引かれていく。





…隼人が暗い表情であたし達を見てたなんて知らずに。
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