愛しの姫の攻略方法


「お前のこと、憐って呼ぶから、お前も俺のこと蓮って呼べ。」


や、逢沢を呼び捨てに…なんてしたら、あたし、命ないんですけど。

女子に睨まれるどころじゃないんですけど。


「無理無理無理無理!!」


ていうか、どっちもレンでややこいし。



それに、恥ずかしいし…



「呼べよ。」


「絶対無理!」


色んな意味で無理なんですって。


「へーそう。
崎本のことは呼び捨てにできるのに、俺のことは呼び捨てに出来ない、と。」


だって、隼人は昔からの付き合いだし。


それに…


「なんでかわかんないけど、他の男子は呼び捨てに出来ても、逢沢を呼び捨てにするのって…は、恥ずかしいよ。」


自分でもわかんないけど。


てか、あたし…


逢沢のことになると、わかんないことだらけだ。


「…それって、自惚れてもいいわけ?」


自惚れる?

何故に?

どういうこと?


「俺を…
“特別扱い”してるってこと、だよな?」


…あ。


そうなのかもしれない。



あたしは、逢沢のこと、特別だって思ってる。
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