愛しの姫の攻略方法
ケンカでもしたのか…って?
してねえよ。
ケンカなら…まだ良かった。
夏海との距離が遠くなった理由は…
俺が、夏海を避けたから。
避けるつもりは無かったけど。
俺は、夏海に恋してるって気づいた瞬間、変に意識しちまって…
夏海の顔が見れなくなって。
夏海と、話すことも出来なくなって。
夏海との距離が分からなくなって。
気づいたら、夏海は、俺の隣には居なかった。
…自業自得だよな。
こんなことなら、恋って気づかなければ良かったって…
何度も思った。
せめて女友達でいてほしかった。
夏海には、隣にいてほしかった。
「おい、光輝…」
「ぅわ!
ビビった…」
蓮の顔が、どアップで俺の顔の真ん前にあった。
キスされそうな距離だし。
…つか、この小説はそっち系の話じゃねえ!
BLとかじゃねえから。
普通のラブコメディー!
俺は、後ろに下がって、蓮との距離をとった。