愛しの姫の攻略方法


「頑張っただろ?
俺、勇気出したんだぜ?」


褒めろ、褒めろと、自慢気に言ってくる蓮。


「はい、はい。
すごいすごい。」


「棒読み~」


…や、でも、すごいと思ってるぜ?


蓮はすごい。


あんなに宮前に嫌われてたのに、今では毎日、図書委員の仕事とか言って、宮前と一緒に帰ってる。

この前だってデートしたらしいし。


蓮と宮前の距離は、確実に近づいてる。



蓮と比べると、俺なんか…


何も出来てない。


夏海との距離は、遠くなる一方で…

夏海と目があったら、すぐに目を反らしてしまう。

一方的に避けるばっかりで。

きっと、夏海にも嫌われた。



本当は、好きなのに。



…こんな自分に、無情に、腹がたつ。



「光輝、大丈夫か?
顔真っ青だぞ。」


「へ?
あ、あぁ…」
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