愛しの姫の攻略方法


「悪ぃ。
ちょっと保健室行ってくるわ。」


俺は、そう言って立ち上がった。


「おぅ…。
大丈夫なのか?」


蓮は、心配そうに俺を見てる。


意外なことに、蓮は結構心配性だから。


「大丈夫、大丈夫☆
元気だけが俺の取り柄だし。
ちょっと寝不足なだけ。」


俺は、笑ってそう言い、教室から出て、保健室に向かった。




…まぁ、寝不足でもないし、熱もねえんだけどさ。



いつも、夏海のことになると、半端ない心拍数のせいで、心臓が痛くなる。

胸が苦しくなるし、夏海のことを考えると、頭も痛くなる。




まるで神様が、夏海のことを諦めろって…

言ってるみたいだ。




確かに、諦めた方がいいかもしれない。

その方がきっと楽だと思う。




…でも、そんなに簡単に諦めれるわけがない。

つか、諦めれるなら、とっくに諦めてる。
< 138 / 233 >

この作品をシェア

pagetop