愛しの姫の攻略方法
「先生、帰りなさいだって~!」
夏海は戻って来るなり、そう言った。
「おぅ。」
「じゃ、帰ろっか。」
は?
まるで、自分も帰るみたいな。
夏海はまだ授業あるだろ。
「え、夏海も帰んの?」
「帰るんじゃないよ。
佐々木、送る。」
お、送る…?
「や、別に送ってもらわなくても…」
「でも、先生に言われたしさ。
荷物持つように、って。」
夏海に俺の荷物持たせるとか…
かっこ悪すぎるだろ。
ありえねえ。
「んじゃ、行こっか。
立てる?」
「…よ、余裕、余裕。」
とか言って、実は結構キツい。
38.5って、俺にしてはまぁまぁ高熱だし。
「無理してない?
マジで大丈夫なの?」
心配そうに、上目遣いしてくる夏海。
それ、反則だろ…マジで。
可愛すぎ。