愛しの姫の攻略方法



花火の音と共に、あたしは、腕をグイッと引っ張られた…


そして、光輝の腕に、優しく包み込まれた。


「えっ…」


頭が、混乱してる。

何が起こってるのか分からない。



だけど…






ドキドキ…






と、速すぎる心拍数が聞こえる。


これは、あたしの心臓の音なのか。

それとも光輝の心臓か。


距離が近すぎて分かんないけど…


きっと、両方なんだと思う。


「…好きだ!」


今度は、光輝がはっきりとそう言った後に、花火が大きく鳴った。

まるで、あたしの胸が張り裂けたように。


「夏海が、俺のこと嫌いでも、俺は…
俺は、夏海が好きだ!」


は?


「え?
ちょっと待って…
あたし、嫌いとか言ってないんだけど。」


超好きだし。

どーゆーこと?


てか、光輝が、あたしのこと避けてたんじゃん!


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