愛しの姫の攻略方法


「…って、折角祭り来たんだし、楽しもうぜっ!」


「うん、そうだね。」


そうだよね。

折角来たんだもん。


「よっしゃぁ!
何食べる?
…俺、アイス!」


「あたし…いかやき!」


いかやき絶対食べる!


「さっきあったじゃん。」


「違うよ!
卵に入ってるやつじゃなくて…
イカがまるまる串にささってるやつ!」


分かる!?

あれ超美味しいんだよ!

あの焼き加減といい、タレの美味しさといい…

あぁ、ヤバイ!

超食べたい!


「ぷっ…
意外とおっさんくせ~!」


「う、うるさいな!」


憐と夏海にもよく言われるけど。


「んじゃ、レッツゴー!」


崎本がそう言って、あたし達は屋台をまわった。


屋台をまわってる時の崎本は、いつもの崎本で。

悲しそうな笑顔じゃなくて。

明るく元気に笑ってた。

崎本とは、ほぼ初対面なのに。

なんでかな?


…すっごく楽しかった。
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